Biersorten・ビールの種類②

下面発酵タイプ〈Untergärige Biere〉 
1.Helles〈ヘレス〉
  • Hellとはドイツ語で「明るい・淡い」等の意味を 持ち、Dunkel〈黒ビール〉と対比し、黄色のビールのことを指す。特にドイツ南部のバイエルン地方で醸造されるビールに使用される名称だが、基本的に はLagerやPilsnerとはさほど区別がないと言っても良い。そこまで苦くなく、ほのかなモルトの香りと甘さが特徴。
2.Dunkel〈ドゥンケ ル〉=Dark
  • Dunkelとはドイツ語で「黒っぽい、暗い」等の意味を持ち、黒っぽいビールに使用される。黒っ ぽい香ばしいモルトを使用しており、非常に香ばしい味わいが特徴。
3.Schwarz〈シュヴァル ツ〉
  • Schwarzはドイツ語で「黒」で、黒ビールのことを指す。こちらもdunkel同様にロースト麦芽を使用 していて、香ばしい。Dunkelとの違いは、Schwarzの方がより黒く、また、Dunkelはミュンヘン等が発祥なのに対して、Schwarzは Thüringen〈テューリンゲン〉、 Brandenburg〈ブランデンブルク〉、Sachsen〈ザクセン〉等、中部ドイツが発祥とされる。
4.Pilsner, Pils〈ピルスナー〉
  • 日本のビールの殆どがこのピルスナータイプ。チェコのプルゼニュ〈ピルゼン=ドイツ語名〉 が発祥のタイプのビールで、Hellesに比べ、ホップの香りが強いのが特徴。元祖ピルスナーである、Pilsner Urquell〈ピルスナーウルケル〉がその代表。因みにスイスでは、原産地名称保護に関する条約をチェコと結んだため、Pilsnerという名称は使え ず、同タイプのビールを「Spezial Bier」と名乗っている。
5.Export〈エクスポー ト〉
  • 由来は、長期間貯蔵でき、輸出に向いている為、このような名称がついた。有名なのはDortmunder Exportと呼ばれるDortmundのビールで、Alt〈アルト〉が多いルール地方の中には珍しく淡色のビールだ。アルコール度が5%以上のビールが多く、下記のMärzen(メルツェン)に近い。
6.Bockbier〈ボック〉 or Starkbier(Strong Beer)
  • Stammwürzeが16%以上で、さらにアルコールも6 %や8%と高め。そのため非常に濃厚な味わいが特徴である。色は淡色から褐色まで様々。発祥はEinbeck〈アインベック〉という街で作られたビール で、このタイプのビールがミュンヘンに持ち込まれて確立されたのがBockbierだそうだ。Bockは基本的にシーズナルビールで、色々な時期に色々な Bockが作られる。例えばDoppelbockはStammwürzeが18%以上でさらにアルコールが高く濃厚な味わいだ。ミュンヘンの Paulanaerで作られるSalvatorもこのタイプのビールDoppelbockはカーニバルがある2月頃 に醸造される。またMaibockは 4~6月に発売されるビールだ。
7.Märzen<メルツェン>(=Oktoberfestbier(オクトーバーフェストビア))
  • バイエルン王国にあったビール法では9月29日から4月23日の間しかビールの醸造が認められていなかった。理由は、夏場に醸造所での火事の危険性が増す為 と、冷却機がない当時、夏場にビールを10度以下に保つのが難しく、品質保持が困難であった為である。5月から9月までの間も飲めるようなビールを造るため、Stammwürze(麦汁濃度)やアルコールを強くすることで、長い間保管できるようにしたビールがMärzen(メルツェン)である。Märzenとはドイツ語で「3月」を意味するが、冷 却装置がない当時、低温でビールを保管するため、ビールケラー(地下室)に氷の塊を置きビールを貯蔵していた。この氷を地下室へ運び込めるのは、3月頃ま でであったため、この名前がついた。因みに、9月29日から始まるビール醸造シーズンを祝ったお祭りが、Oktoberfest(オクトーバーフェスト) であり、今日も続いて行われている。
8. Zwickelbier(ツヴィッケルビア)(=Kellerbier(ケラービア))
  • Zwickelbierは、無濾過のラガータイプのビールで(上面発酵タイプも有)、濁った色が特徴。名前の由来は発酵過程で、醸造士がZwickelhahn(ツヴィッケルハーン)と呼ばれる蛇口から味を点検していた事を指す。新鮮な為樽生で提供される事が多いが、瓶で提供される事もある。

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