Bierreise 2009 Germany&Scandinavia 27:Dom Kölsch

Düsseldorf(デュッセルドルフ)に着いた翌日は、ケルンへエクスカージョン。

ドイツで4番目に大きい都市、ケルン。
デュッセルドルフと同様、ライン川に面する都市で、街の歴史はローマ時代に遡る、歴史ある都市です。
同じ州にあるケルンとデュッセルドルフは共に敵対関係にあるのは有名ですが、50キロも離れていない両都市に全くスタイルの違う名物ビールがあるのは非常に興味深いところです。

デュッセルドルフでは、先日紹介したような赤褐色でロースト麦芽の香り深いAltbier(アルトビール)を醸造しているのに対し、ケルンでは、淡色でフルーティー、口当たりが軽めなKölsch(ケルシュ)を醸造しています。 両方とも上面発酵のビールですが、どちらも非常に個性があり、世界的にも名の知れているスタイルのビールです。

そもそもKölsch(ケルシュ)とはどういうビールなのでしょうか。

ケルシュにはKölsch-Konvention(ケルシュ協定)というのが設けられており、ケルシュという名称の誤使用や濫用を防ぎ、ケルシュを地理的原産地呼称を守るために醸造所間で取り決めがなされています。
そのケルシュ協定では、ケルシュとは次のように定義されています。Die Bezeichnung Kölsch ist seit alters her eine qualifizierte geographische Herkunftsbezeichnung für nach dem Reinheitsgebot hergestelltes helles, hochvergorenes, hopfenbetontes, blankes obergäriges Vollbier.(ケルシュという呼称は、ビール純粋令にのっとって醸造された、淡色でよく発酵され、ホップを強調し た透き通った上面発酵のVollbier(フォルビア)の事を指す)(引用:Kölner Brauerei Verband E.V. http://www.koelner-brauerei-verband.de/k%C3%B6lsch-konvention)
もちろん、上記の条件を満たしていても、ケルンやその周辺地域で醸造されたものだけに名前の権利が付与される地理的原産地呼称をケルシュは持っています。
EU では特に原産地呼称に関しては敏感で、フランスのシャンパンやイタリアのパルミジャーノチーズ等も原産地呼称で守られている製品です。ケルシュもEUでケルンで 醸造され、条件を満たしたビールにのみしか名前の使用が許されていない訳ですが、日本等ではケルシュは多くの地ビールに利用されています。仮にこれらの ビールをEUに輸出した場合、名前を変えるか「ケルシュ風」等と追記する必要が出てくるのかもしれませんね。

さて今日紹介するのは、20以上あるケルシュ醸造会社の内の一つである、Dom Brauereiの主力ビールDom-Kölsch(ドム・ケルシュ)
ケルンのシンボルともいえるDom(ケルン大聖堂)が描かれている、なんとも郷土色あふれるエチケットが人目を惹きます。

ケルシュ特有のフルーティーさを楽しめる一杯です。口当たりも軽めで、癖がないので万人に好かれそうな味だと思います。

やっぱ本場で樽生で飲むってのが、何より最高ですね。


●○Dom:Kölsch○●
Brewery:Dom Brauerei
Location: Köln,Germany
Website:http://domkoelsch.de/

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